夫が自営業者だった場合、自営業の妻の年金はいったいどれくらいもらえるのでしょうか?

自営業者の夫の場合40年間支払い続けて年間792100円(月額約66000円)です。

自営業者の妻が入る年金制度

自営業者の妻が入る年金制度は夫と同様の国民年金です。

つまり自営業の妻がもらえる年金も夫と同様、年間792100円(月額約66000円)なのです。
(※国民年金にのみ40年間加入した場合)

国民年金は一般的に老齢基礎年金(ろうれいきそねんきん)とよばれているものです。「老齢年金」や「基礎年金」と呼ばれることもあります。

サラリーマンが入る厚生年金は簡単にいうとこの老齢基礎年金に+α金額が上乗せされた年金のことです。夫がサラリーマンで妻が扶養範囲で働いている場合(130万円未満の収入)、妻は夫の厚生年金に第3号被保険者として加入することが出来、本人の保険料の負担はありません。

一方自営業者が入る国民年金にはこの扶養という概念がないため、自営業者の妻の収入が130万円未満であっても保険料は支払わなくてはいけません。

国民年金は自営業者や農業を営む人達のために作られた制度ですが、現在は派遣や不安定な就労形式の人達のための受け皿ともなっていて問題視されるようになってきています。

自営業者の妻の保険料

自営業者が加入している国民年金の保険料は、一律定額制となっています。
サラリーマンが入る厚生年金とは違い、国民年金には扶養という制度がないため自営業の妻であっても年金保険料は夫と同額支払う必要があります。

国民年金の保険料は平成29年度まで毎年280円ずつ引き上げられ、最終的には16,900円となることが決定しています。平成22年度の保険料は、月額15,100円です。

つまり夫と二人分だと、15,100×2=30,200円(月額)になります。

所得が低い場合には所得に応じて保険料が減額される制度がありますが、将来もらえる年金額も減少します。

厚生年金との違い

国民年金とサラリーマンが一般的に入っている厚生年金との違いは、厚生年金の保険料は会社が半分を支払い、個人が残り半分を支払う「労使折半」となっているところです。つまり、会社が半分年金保険料を負担してくれているということです。たくさん保険料を支払っている分、老後にもらえる年金も多くなります。

また、サラリーマンの妻の場合で、夫に扶養されている場合、妻が個別に年金保険料を支払う必要はありません。夫側の保険料に妻の保険料も含まれています。これが国民年金とは大きく違うところです。

また夫に何かあった時の遺族年金の支払い方も大きく違います。

常に老後を見据える

国民年金は当初自営業の人たちのために作られた制度でした。自営には定年という概念がないために支払われる年金額も少なく設定されたのでしょう。

そういった環境を選んだのは自営業者自身なので、今まで問題はなかったのかもしれません。

しかし国民年金は、最近は自営業ではない人たち(派遣や正社員ではない人達)の受け皿としても利用されるようになったために大きく問題視されるようになってきています。

はっきり言って、将来国民年金だけでは暮らしていけないのが現状です。そして自営でない人達は年をとると稼ぐ手段も奪われる可能性があります。

将来年金制度改革があるのは確実だと考えていますが、それがいつになるのかは誰にも分かりません。

資本主義にも社会主義にもなりきれていない日本ですが、唯一言えることはもう政府はあてにできないという事です。政府がどうにかしてくれるだろうなんて幻想を抱いてはいけません。

日本は社会構造や現状の年金制度を子供たち教えるわけでもなく、中途半端な自己責任を押しつけようとしていると感じます。

私たち自営業者は年金をあてにしないでガンガン老後のために稼ぐしかないのです。常に老後を見据えたライフプランを考えるようにしましょう。