個人事業税とは個人で事業を営む(個人事業主)に対して課せられる地方に納める税金のことです。

個人が営むほとんどの事業があてはまりますが、法律で決められた事業・業種の70業種(法定業種)に対してと決められています。

法定業種は第1種~第3種に分類されており、それぞれ課税される税率が違います。

個人事業税は確定申告をすることで自動的に計算され納付書が送付されてきますので、改めて申告したり書類を提出したりする必要はありません。
個人事業税の納期は8月と11月の年2回となっています。

個人事業税の業種と税率

個人事業税の法定業種は3種類に分類されており、それぞれ課せられる税率が違います。

第1種事業 37業種(税率5%)

物品販売業、保険業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、電気供給業、土石採取業、電気通信事業、運送業、運送取扱業、船舶ていけい場業、倉庫業、駐車場業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業、飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、両替業、公衆浴場業(むし風呂等)、演劇興行業、遊技場業、遊覧所業、商品取引業、不動産売買業、広告業、興信所業、案内業、冠婚葬祭業

第2種事業 3業種(税率4%)

畜産業、水産業、薪炭製造業

第3種事業 30業種

(税率5%)
医業、歯科医業、薬剤師業、獣医業、弁護士業、司法書士業、行政書士業、公証人業、弁理士業、税理士業、公認会計士業、計理士業、社会保険労務士業、コンサルタント業、設計監督者業、不動産鑑定業、デザイン業、諸芸師匠業、理容業、美容業、クリーニング業、公衆浴場業(銭湯)、歯科衛生士業、歯科技工士業、測量士業、土地家屋調査士業、海事代理士業、印刷製版業

(税率3%)
あん摩・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業、装蹄師業

ちなみに上記に記入のない業種であっても、開業届で記入した業種や確定申告で記入した業種をもとに、どの法定業種にあてはまるか判断されます。
(例えば大工の場合、請負業に入れられるようです。また、地方によってどの業種に入るか判断が分かれる場合もあるようです。)

個人事業税の計算方法

個人事業税はおおまかに言うと売上から経費を引いた事業所得から事業主控除290万円を引いた金額に3%~5%(業種によって違う)を掛けることで計算できます。
(詳しくは東京都主税局のHPを参考にして下さい。)

まず事業所得ですが所得税の確定申告したものと基本的には同じです。
売上金額に必要経費を差し引いた青色申告控除前の金額が事業所得です。
(確定申告書の欄)

この金額に事業主控除の290万円を引いた金額に3~5%の税率が掛けられます。

個人事業税=(事業所得-290万円)× 3~5%

※青色申告を行っている場合、配偶者などの事業専従者給与も経費として
事業所得から引くことができます。

個人事業税の勘定科目と仕訳

所得税や住民税は必要経費として計上できませんが、個人事業税は全額経費として扱うことができます。

個人事業税を支払い経費として仕訳する場合は勘定科目の『租税公課』を使います。

仕訳例)
■個人事業税50,000円を銀行で現金で支払った。

租税公課 50,000/現金 50,000

■個人事業税を50,000円を預金から支払った。

租税公課 50,000/普通預金 50,000